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双恋SS2

眠い授業

授業中
2時間目の授業は桃衣先生の授業だった。
朝寝坊したこともあってまだ眠い・・・
(眠い!眠すぎる!あぁ、なんだか頭がぼーっとしてきたぞ・・・)
しばらく、うつらうつらして僕は意識を失った。
「はい、じゃあ教科書53ページの11行目から誰に読んでもらおうかなぁ。
 よし、それじゃそこでしたむいている聡君。53ページの11行目から読んでください。」
愛先生は僕を指したようだった。
「・・・・・・・」
しかしその時、僕の意識は完全にアッチの世界に旅立っていた。
「お~い、さとしく~ん。聞いてますかぁ~?」
愛先生がさらに呼ぶ。
「・・・・・・・」
しばらく無音になる。
「もぉ~、仕方ないなぁ。桜月さん、さとしくん起こしてあげてくれる?」
愛先生は僕の隣の席の桜月キラ、ユラに僕を起こすよう言った。
「ねぇ、起きて。ねぇったら。うぅ…起きないよぉ~。どうしようキラちゃん?」
「おぉ~きぃ~ろぉ~。あぁ~さぁ~だぁ~ぞぉ~。」
キラとユラが僕を起こそうとするが
「・・・・・・・」
やはり返事はない。
「ぐっすり寝てるね、ユラちゃん」
「そうだね、キラちゃん」
2人は見合って困った目で言う。そして先生の方へ一斉に向きを変えて同時に言った。
「先生~。さとしくん起きませ~ん」
「もぉ~、ホント仕方ないんだから…」
愛先生はぶつぶつつぶやきながら僕の席へと近づいてくる。そして僕の席にたどり着くと
「聡君、今は授業中ですよ!起きなさい!」
愛先生は怒った口調で僕を揺すりながら言った。しかし
「・・・・・・・」
僕からの返事はなかった。
「よく寝てるわねぇ…」
愛先生は僕を無理矢理起こす為に僕の顔をおこした。
相変わらず僕はアッチの世界にいた。(コッチに帰って来られない理由があったのだ。)
「お・き・ろ!」
愛先生は僕の頭をリズミカルに振りながら叫ぶ。
そしてそれを何セットかして、愛先生は僕の顔が妙に熱いことに気付く。
「も、もしかして…」
愛先生は自分のおでこを僕のおでこにくっつけた。
「大変!すごい熱だわ!すぐに保健室に連れて行かないと!
 桜月さんたち、彼を保健室に連れて行くの手伝ってくれる?」
流石先生だ。的確な指示を出している。その隣で
「は…、はい。えっ…えっと…」
「た、大変。さとしさんが死んじゃう…」
ユラとキラはおどおどしている。
愛先生の的確な指示おかげで僕はなんとか保健室にたどり着くことができたようだ。
(もちろん自分で行ったわけではない。自分はアッチの世界にいる。愛先生とキラ、ユラの三人が協力をして僕を保健室へと運んでくれたのだ)

保健室
「う…」
僕が目を覚ますとそこは保健室のベットの上だった。
当然状況が飲み込めない。
「目が覚めたようね。大丈夫?熱、39度もあったのよ。」
保険医の舞が僕に言った。
「そんなに熱が……通りで頭がボーっとするわけだ…」
そういいながら起き上がろうとしたら
「ダメよ。寝てなくちゃ。まだ熱下がっていないんだから。」
舞に止められた。
「そうよ。ゆっくり寝て熱下げなくっちゃ。」
どうやら愛先生も隣にいるようだ。
「うん…わかったよ」
そして僕は再び眠りに落ちた。

夕方
僕が再び目覚めたとき、外は既に赤かった。
「おはよう。よく眠っていたようね。」
と、側にいた舞が言った。続けて
「あ、おはよう。さっき雛菊さん家に電話したからもうすぐむかえに来ると思うわ。」
愛が言った。
相変わらず熱はまだ下がっていなかった。
しばらくしてみやびさんが車でむかえに来てくれた。
「大丈夫?熱があるんだって?」
心配そうにみやびが訊いた。
「うん…多分、大丈夫…」
そう答えてから、僕はよろよろとした足どりでみやびが乗って来た車に乗った。
車内ではうるるとららが待っていた。
「あ、おにいちゃんきたー。」
「おにいちゃんすごくしんどそう。」
るるとららが言う。

家へ帰ると僕は三度眠りについた。

2日後
みやびさん(とるる、らら)の看病のおかげで風邪のほうはすっかりよくなった。
今日からまた学校へいける。
僕は足どりも軽やかに学校へと向かう。

ー終ー


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